LEDビジョンやデジタルサイネージの世界には、「ピクセルピッチ」「輝度(nit)」「SMD」「DOOH」など、初めて触れると戸惑う専門用語が数多く登場します。
本用語集は、これから導入を検討する方から、制作・入稿・運用を担う実務者まで、幅広い読者が素早く意味を確認できるよう、50語以上をカテゴリ別に整理したリファレンスです。
この用語集の使い方
用語は「基礎・種類」「画質・表示」「ハードウェア」「運用・広告」「制作・入稿」「法規・安全」の6カテゴリに分類し、それぞれ「用語|読み/英字|意味」の表(テーブル)形式でまとめています。
下の目次から気になるカテゴリへジャンプできます。より詳しい解説が必要な用語は、本文中のリンクから
技術ページや
広告データガイド、
屋外広告ガイドもあわせてご覧ください。
ご注意:本ページに記載する輝度(nit/cd/㎡)、ピクセルピッチ、価格などの数値はすべて一般的な「目安」です。実際の仕様は製品・メーカー・設置条件によって異なります。正確な値は各製品のスペックや施工業者にご確認ください。
🧭 1. 基礎・種類
LEDビジョンやデジタルサイネージそのものを理解するための基本用語と、設置環境・形状による種類の呼び分けです。より広い概要は技術ページと完全ガイドで解説しています。
| 用語 | 読み/英字 | 意味 |
| LEDビジョン | エルイーディー ビジョン / LED Display | 多数のLED(発光ダイオード)を並べて映像を表示する大型ディスプレイ。自発光のため高輝度で、屋外の直射日光下でも視認しやすい。 |
| デジタルサイネージ | Digital Signage | ディスプレイやプロジェクターを用いて情報・広告を電子的に表示する仕組みの総称。LEDビジョンや液晶ディスプレイを含む。 |
| DOOH | ディーオーオーエイチ / Digital Out Of Home | 屋外・交通・商業施設などに設置されたデジタル媒体で行う広告。広告データガイドで詳述。 |
| OOH | オーオーエイチ / Out Of Home | 屋外広告全般を指す語。看板・ポスターなど従来型を含む家庭外メディア。DOOHはこのデジタル版。 |
| 屋内用 | Indoor | 室内設置を前提としたLED製品。輝度は控えめ(目安600〜1,500nit)で狭ピッチ・高精細が中心。 |
| 屋外用 | Outdoor | 直射日光や風雨に耐える設計のLED製品。高輝度(目安5,000nit以上)と高い防水・防塵性能を備える。 |
| 半屋外用 | セミアウトドア / Semi-Outdoor | 軒下・店頭など、雨は当たりにくいが明るい環境向けの製品。屋内用と屋外用の中間的な輝度・防塵設計。 |
| 透過LED | とうかエルイーディー / Transparent LED | 画素間に隙間を設け、背後が透けて見えるLED。ガラス面やショーウィンドウに設置し採光を保ちながら映像を表示。 |
| 曲面LED | きょくめんエルイーディー / Curved LED | 柔軟なモジュールや専用キャビネットで曲面・円柱状に構成したLEDビジョン。演出性の高い空間表現に用いる。 |
| ファインピッチLED | Fine Pitch LED | ピクセルピッチが概ねP2.5以下の高精細LED。近距離視聴の屋内用途(会議室・スタジオ等)で普及。 |
| LEDポスター/スタンド | LED Poster | ポスター型の縦長・可搬型LEDサイネージ。店頭やイベントで手軽に設置できる薄型製品。 |
🎛️ 2. 画質・表示
見え方・美しさを左右するスペック用語です。数値はいずれも目安で、視聴距離や設置環境に応じて最適値が変わります。
| 用語 | 読み/英字 | 意味 |
| ピクセルピッチ | Pixel Pitch | 隣り合う画素の中心間距離をmmで表す(例:P2.5=2.5mm)。値が小さいほど高精細で近距離向き。 |
| 解像度 | かいぞうど / Resolution | 画面全体の画素数(横×縦)。同じピッチなら画面が大きいほど解像度も高くなる。 |
| 輝度 | きど / Brightness(nit) | 画面の明るさ。単位はnit(=cd/㎡)。屋内用600〜1,500nit、屋外用5,000nit以上が目安。 |
| nit/cd/㎡ | ニット/カンデラ毎平方メートル | 輝度の単位。1nit=1cd/㎡。数値が大きいほど明るく、明環境でも視認しやすい。 |
| コントラスト比 | Contrast Ratio | 最も明るい白と最も暗い黒の輝度比。高いほど締まった黒と鮮明な映像になる。 |
| 視野角 | しやかく / Viewing Angle | 色や明るさが保たれて見える角度範囲。広いほど斜めからでも綺麗に見える(目安:水平140〜160度)。 |
| リフレッシュレート | Refresh Rate(Hz) | 1秒あたりの画面書き換え回数。高い(目安1,920〜3,840Hz以上)ほどカメラ撮影時のちらつきが少ない。 |
| グレースケール | Grayscale/階調 | 色の濃淡を何段階で表現できるか(例:14bit)。階調が深いほど滑らかなグラデーションを表現。 |
| 色域 | しきいき / Color Gamut | 表現できる色の範囲。sRGBやDCI-P3などで示され、広いほど鮮やかで自然な色再現が可能。 |
| ムラ補正 | むらほせい / Calibration | モジュール間の輝度・色のばらつきを1画素単位で均一化する補正処理。均質な表示品質を保つ。 |
| ドット抜け | Dead Pixel | 点灯しない、または常時点灯する不良画素。品質管理・保証の重要指標。 |
| フリッカー | Flicker/ちらつき | 画面の明滅。リフレッシュレートが低いと撮影映像に横縞やちらつきとして現れる。 |
| 色温度 | いろおんど / Color Temperature(K) | 白色の色味をケルビンで表す。数値が高いほど青白く、低いほど暖色になる。 |
🔧 3. ハードウェア
LEDビジョンを構成する部品・実装方式・制御機器の用語です。実装方式(SMD/COB/GOB/DIP)は耐久性やコストに直結します。
| 用語 | 読み/英字 | 意味 |
| LEDモジュール | LED Module | LED素子を基板に実装した最小の表示単位。複数枚を組み合わせてキャビネットを構成する。 |
| キャビネット | Cabinet/ユニット | モジュールを収めた箱状の筐体。これを並べて大画面を構成する。前面・背面メンテ対応など種類がある。 |
| SMD | エスエムディー / Surface Mount Device | R・G・Bを1パッケージ化し基板表面に実装する方式。屋内〜屋外で最も普及した実装方式。 |
| COB | シーオービー / Chip On Board | LEDチップを基板へ直接実装し樹脂で保護する方式。高精細・高耐久で狭ピッチ製品に向く。 |
| GOB | ジーオービー / Glue On Board | 実装済みLED表面を樹脂コーティングして保護する方式。防塵・防水・耐衝撃性を高める。 |
| DIP | ディップ / Dual In-line Package | 砲弾型LEDを挿し込み実装する旧来方式。高輝度だが粗ピッチで、大型屋外看板などに使用。 |
| 受信カード | じゅしんカード / Receiving Card | キャビネット内でデータを受け取り各モジュールへ表示信号を分配する制御基板。 |
| 送出/プロセッサ | そうしゅつ / Video Processor・Sending Card | 映像信号を受信カードへ送り出す制御機器。スケーリングや画面分割・繋ぎ合わせを担う。 |
| 電源(PSU) | でんげん / Power Supply Unit | LEDを駆動するための電源ユニット。冗長化や大容量化で安定表示と長寿命化を図る。 |
| IP等級 | アイピーとうきゅう / Ingress Protection | 防塵・防水性能を示す規格(例:IP65)。1桁目が防塵、2桁目が防水の等級。屋外用は高等級が必須。 |
| マスク | Mask/ルーバー | 画素前面に付く庇状の遮光部品。外光の映り込みを抑えコントラストと視認性を高める。 |
| ピッチ変換/磁石固定 | Magnet Mount | モジュールを磁石で着脱する構造。前面から素早く保守交換できる方式として普及。 |
| ヒートシンク | Heat Sink/放熱 | LEDや電源が発する熱を逃がす放熱機構。温度管理は輝度低下や寿命に直結する。 |
📡 4. 運用・広告
配信管理や広告取引に関わる用語です。指標や取引の仕組みは広告データガイドで数値とあわせて解説しています。
| 用語 | 読み/英字 | 意味 |
| CMS | シーエムエス / Content Management System | サイネージのコンテンツ配信・スケジュール・端末管理を行うシステム。遠隔から一括更新できる。 |
| 配信 | はいしん / Distribution | CMSから各ディスプレイへコンテンツを送り表示させること。時間帯や店舗別の出し分けが可能。 |
| 尺 | しゃく / Duration | 1つのコンテンツの再生時間。DOOHでは15秒・30秒などの枠尺が一般的。 |
| ループ | Loop | 複数の広告枠を繰り返し再生する一巡。1ループ内での自枠の登場頻度が露出量を左右する。 |
| インプレッション | Impression | 広告が表示・視認された回数の推計値。DOOHでは通行量などから算出する。 |
| 視認率 | しにんりつ / Visibility Rate | 媒体の前を通過した人のうち実際に広告を見た割合の推計。効果測定の基礎指標。 |
| アテンション | Attention | 広告にどれだけ注意が向けられたかを示す概念・指標。視認時間や注視の深さで評価する。 |
| プログラマティックDOOH | pDOOH / Programmatic DOOH | DOOH広告枠をシステムで自動的に取引・配信する仕組み。条件に応じたリアルタイム入札が可能。 |
| DSP | ディーエスピー / Demand Side Platform | 広告主側が広告枠を効率的に買い付けるためのプラットフォーム。pDOOHの買い手側システム。 |
| SSP | エスエスピー / Supply Side Platform | 媒体側が広告枠を販売・収益最大化するためのプラットフォーム。pDOOHの売り手側システム。 |
| ロール(枠) | Roll/広告枠 | 1ループ中に割り当てられる広告の放映枠。契約する枠数で露出量が決まる。 |
| 買い切り | かいきり / Fixed Buy | 期間・枠を固定して媒体を購入する取引形態。プログラマティック取引と対比される。 |
| CPM | シーピーエム / Cost Per Mille | 広告1,000インプレッションあたりの費用。DOOHの費用効率を比較する代表指標。 |
🎬 5. 制作・入稿
映像・静止画を制作しメディアへ納品する際の用語です。媒体ごとの入稿規定を満たすことが表示品質の前提になります。
| 用語 | 読み/英字 | 意味 |
| アスペクト比 | Aspect Ratio | 画面の縦横比(例:16:9、1:1、縦型9:16)。媒体の実寸に合わせて制作しないと余白や歪みが生じる。 |
| 実ピクセル | じつピクセル / Native Resolution | そのビジョン固有の物理画素数。実ピクセルに合わせて制作すると最も鮮明に表示される。 |
| フレームレート | Frame Rate(fps) | 1秒あたりのコマ数。24/30/60fpsが一般的で、媒体のリフレッシュ性能に合わせる。 |
| ビットレート | Bit Rate(bps) | 1秒あたりのデータ量。高いほど高画質だがファイルは重い。入稿規定の上限に収める必要がある。 |
| コーデック | Codec | 映像・音声を圧縮/復号する方式(例:H.264、HEVC)。媒体が対応するコーデックで書き出す。 |
| 入稿規定 | にゅうこうきてい / Delivery Specs | 媒体側が定める解像度・尺・容量・形式などの納品ルール。逸脱すると受け付けられない。 |
| セーフエリア | Safe Area | マスクや枠で隠れない、確実に表示される画面内領域。重要な文字やロゴはこの範囲に収める。 |
| ガンマ/カラープロファイル | Gamma / Color Profile | 明るさ特性や色空間の定義。媒体側の設定に合わせないと意図した色・明るさで表示されない。 |
| ループ素材 | Seamless Loop | 始点と終点が滑らかに繋がるよう制作された繰り返し再生向けの映像素材。 |
⚖️ 6. 法規・安全
特に屋外設置で関わる法規制・安全管理の用語です。詳細は屋外広告ガイドを参照し、実際の申請は管轄自治体・専門業者にご確認ください。
| 用語 | 読み/英字 | 意味 |
| 屋外広告物条例 | おくがいこうこくぶつじょうれい | 各自治体が屋外広告物法に基づき定める条例。看板の大きさ・高さ・色・輝度などを規制する。 |
| 許可申請 | きょかしんせい / Permit Application | 屋外広告物の設置に際して自治体へ行う許可の申し込み。多くは有効期限があり更新が必要。 |
| 道路占用許可 | どうろせんようきょか | 看板の一部が道路上空などにかかる場合に必要な、道路管理者への占用許可。 |
| 道路使用許可 | どうろしようきょか | 設置工事などで道路を一時使用する際に、管轄警察署へ申請する許可。 |
| 工作物確認申請 | こうさくぶつかくにんしんせい | 高さ4mを超える看板等を「工作物」として構造安全性を確認するための建築基準法上の申請(目安)。 |
| 輝度規制 | きどきせい / Brightness Limit | 夜間などに周囲へ与える眩しさを抑えるための明るさ上限。自治体により上限値の目安が定められる。 |
| 点滅規制 | てんめつきせい | 過度な明滅や急激な切り替えを制限するルール。交通安全や光害防止の観点から設けられる。 |
| 光害 | ひかりがい / Light Pollution | 過剰・不要な光が周辺環境や住民生活に及ぼす悪影響。調光やタイマー制御で低減する。 |
| 安全点検 | あんぜんてんけん / Safety Inspection | 看板・支柱・電気系統の劣化や落下リスクを確認する定期点検。有資格者による実施・報告が求められる場合がある。 |
| 自動調光 | じどうちょうこう / Auto Dimming | 照度センサーで周囲の明るさを検知し輝度を自動調整する機能。省エネと光害対策に有効。 |
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用語に関するよくある質問
Q: ピクセルピッチはどれを選べばよいですか?
A: 視聴距離が近いほど小さいピッチ(高精細)が向きます。目安として、数m以内で見る屋内用途はP2.5以下、10m以上離れて見る大型屋外はP6〜P10程度でも十分なことが多いです。あくまで目安のため、実際は設置環境で最適値が変わります。詳しくは技術ページをご覧ください。
Q: 輝度(nit)はどのくらい必要ですか?
A: 目安として、屋内用は600〜1,500nit、半屋外は2,500nit前後、屋外の直射日光下では5,000nit以上が推奨されます。明るすぎる場合は自動調光で夜間の光害を抑えるのが一般的です。
Q: SMDとCOBの違いは何ですか?
A: SMDはR・G・Bを1パッケージ化して表面実装する普及方式、COBはチップを基板へ直接実装し樹脂で保護する方式です。COBは高精細・高耐久で狭ピッチに向く一方、コストは高めになる傾向があります(目安)。
Q: DOOHとデジタルサイネージは違うものですか?
A: デジタルサイネージは電子的に情報表示する仕組みの総称で、DOOHはそのうち屋外・交通・商業施設などで広告配信に使うものを指します。取引の仕組みは広告データガイドで解説しています。
Q: 屋外設置で必要な許可は?
A: 屋外広告物条例に基づく許可申請のほか、道路にかかる場合は道路占用許可、工事時は道路使用許可、高さ4m超は工作物確認申請が必要になることがあります(目安)。詳細は屋外広告ガイドと管轄自治体をご確認ください。